食道がんの手術後の生活


    入院期間は手術の内容や術後経過によって異なりますが、順調に経過した場合、食道がんの場合には2週間前後で退院になります。入院中に何かご不便なことがありましたら、どのようなことでも、お気軽にスタッフにお話しください。

1.手術後1日目

この日はHCUに滞在します。朝の10時頃に人工呼吸器をはずし、会話ができるようになります。
HCUの看護師が体温や脈拍、血圧測定などを行い、体の状態を確認します。痛みや吐き気などの症状がある場合には、症状を和らげるための薬を使います。
午後より医師、理学療法士、看護師と一緒に歩行訓練を行います。歩行補助具を用いた安全な訓練です。早期から歩くことで、肺炎や腸閉塞などの合併症を予防し、術後の経過が順調に進みます。
歩行訓練後には経腸栄養が開始となります。体の中の腸の状態がもとに戻りつつあるため、これにより栄養が腸を通して吸収されます。状態が安定していれば、夕方にも歩行訓練を行います。まだベッド上では足の筋力を落とさないように足踏みの訓練も行います。

2.手術後2日目

午前中に看護師が付き添い、HCUから一般病棟へ歩行にて帰室します。歩行が実施できれば、両足に巻いていた機械をはずします。
手術後は回復する過程で発熱がみられ、汗をかくことがあります。ご自身で着替えをすると、点滴や管が抜けてしまうことがあるため、看護師が温かいタオルで体を拭き、着替えの手伝いをします。

3.手術後2日目以降

歩行訓練は、初めは理学療法士と一緒に行います。歩行がスムーズに進めば、その後は看護師と一緒に歩行を行い、いずれは一人で歩行可能となります。点滴や頸部/胸部の管が一本ずつ抜けていくので、歩行は徐々に楽になってきます。
術後の身体症状、採血やレントゲンなどの検査結果に問題ないことを確認しつつ、術後約1週間で口から造影剤を飲んでもらい、つなげた消化管から漏れがないかを確認した後に、経口摂取が開始されます。食事開始の際には、管理栄養士より食事の摂り方の説明があります。
術後の経過を確認しながら、経口摂取は通常の食事を目指して、初めはゼリー食から開始となります。食事の形態はその後徐々に固くなってきます。おかゆが食べられるようになれば、退院間近となります。ただし医師の許可が出るまで、病院食以外(炭酸ジュースやコーヒーなどを含む)のものは摂取しないようにしてください。

4.退院後の生活

    退院後、最初の外来を受診されるまでの2週間は、自宅で療養していただきます。経腸栄養の管は抜かずに退院となりますが、管が入っていてもシャワーやお風呂に入ることが可能です。
    その間にも何かありましたら、すぐに当院に電話をおかけください。看護師や医師がすぐに対応し、診察が必要な場合は、できるだけ早く対応いたします。

    外来では、症状やステージに合わせた間隔で診療します。定期的に血液検査、CT、内視鏡検査などを行い、再発がないかしっかりと診ていきます。
    また、食事指導等については、栄養管理科の管理栄養士が一人一人に合った指導を行います。

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